株式分析研究会 螢舎

移動平均線と株価の開きで株価の習性を
客観的に掴む移動平均線乖離率

目次
目次
移動平均線乖離率とは
移動平均線乖離率の計算方法
移動平均線乖離率のチャートの作り方
底と天井の判断

移動平均線乖離率とは

移動平均線乖離率とは株価の現在の位置と移動平均線との開きを指数化したものです。 移動平均線の説明のページでも述べたとおり、平均線の値は終値ベースで取引したと仮定した場合の投資家の平均コストです。 平均コストにどれだけ利益が乗れば利食い場となるか、またはどれだけ下げれば値ごろ感が出るかを客観的に掴む指標となります。 株価は上げ続けるものはありません。上がれば必ず下がり、下がれば上がるものです。 その反転の目安を過去のチャートから読み取り売買タイミングを計る際の参考とします。

移動平均線乖離率の計算方法

これは非常に簡単な計算方法となっています。株価値動きの前日対比が計算できれば十分計算できます。 つまり
移動平均線乖離率=(当日終値−移動平均線)÷移動平均線
移動平均線にどの日数を使用するかは任意であり、また銘柄によっても最適なものは異なります。 銘柄ごとに計算を繰り返し最適な日数を探しましょう。過去半年〜1年程度の期間を必ず調査してください。 あまり短期間の検証では十分な結果は得られません。 検証の結果、日数を色々試してもどうしても結果が納得いかない場合は無理をしてその銘柄に投資するよりも別の銘柄を検証した方が無難です。 あくまでも過去の傾向が今後も続くだろうという想定の元に売買をする手法だからです。 過去がうまくいかないのに将来に渡り良いシグナルが出る事は無いという判断です。

移動平均線乖離率のチャートの作り方

それではExcelで移動平均線乖離率を計算してみましょう。データの並びは以下のようにします。 銘柄は9501東京電力で期間は2006年3月7日以降です。

 
1 日付 終値 25日
移動平均線
移動平均線
乖離率
2 06/3/7 3,090    
3 06/3/8 3,150    
4 06/3/9 3,170    
   
26 06/4/11 2,990 3,050.2 -2.0%

必要最低限のデータだけ配置しました。上記のようにデータを並べたら数式を入力します。移動平均線の日数は25日とします。 25日平均線なので25行目までは計算できません。まずは25日移動平均線を入力します。
C26のセルに以下の数式を入力します。
=AVERAGE(B2:B26)
また、小数点以下の端数が気になるようであれば以下の数式を入力しましょう。
=ROUND(AVERAGE(B2:B26),1)
(ROUND関数は数値を指定した桁数で四捨五入する数式です。小数点以下どこまで表示するかは任意です。この場合は第1位まで表示しています。第2位まで表示する場合は最後の,1を,2とします。)
その一つ右のD26セルに以下の数式を入力します。
=(B26-C26)/C26
こちらも小数点以下の端数が気になるようであれば上記のようにROUND関数を付け加えます。%表示の場合は小数点1桁まで表示するには最後を,3とします

データを100日程度作ったらチャートを作ります。 終値と移動平均線を第1軸、移動平均線乖離率を第2軸と設定してみましょう。 ここまで騰落レシオRSIVRストキャスティクスと数種類のグラフが出来ていれば簡単に出来るでしょう。
ローソク足との複合グラフを作成する場合は始値〜高値までも入力してからExcelでチャートを作成(一般的な方法)Excelでチャートを作成(螢舎独自の方法)を参考にしてください。
完成すると下のようなチャートができます。
移動平均線乖離率
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底と天井の判断

チャートができたところで、非常に重要な問題があります。結局何%乖離したところで買う、または売るとしたら良いのでしょうか。 もちろん前述のとおり、銘柄によって最適な日数も違えば乖離率も違います。それをExcelで表現するとどのようになるでしょうか。 試しに挑戦してみました。
データは先ほどと同じく9501東京電力を使用しています。E列に期間上限、F列に期間下限を追加します。 さらにG列には平均上限、H列には平均下限を追加します。
何を表そうとしているかを簡単に説明しますと、過去の上限(または下限)を記録し、その平均値を取ろうと言う事です。 チャートを見ているだけでは見落としてしまうかもしれないポイントを機械的に計算する事で補佐しようという考えです。
では実際に計算してみましょう。
 
1 日付 終値 25日
移動平均線
移動平均線
乖離率
期間
上限
期間
下限
平均
上限
平均
下限
2 06/3/7 3,090            
3 06/3/8 3,150            
4 06/3/9 3,170            
           
26 06/4/11 2,990 3,050.2 -2.0%        
27 06/4/12 2,955 3,044.8 -2.9%        
28 06/4/13 2,970 3,037.6 -2.2%        
29 06/4/14 2,945 3,028.6 -2.8%        
30 06/4/17 2,930 3,023.0 -3.1%        
       
35 06/4/24 2,890 2,989.4 -3.3%   -3.3%    
       
43 06/5/9 3,100 2,979.4 +4.0% +4.0%      
       
75 06/6/22 3,070 3,011.0 +2.0%     +3.5% -3.1%
76 06/6/232 3,030 3,012.2 +0.6%     +3.5% -3.1%

早速各セルにどのような数式が入っているか見てみましょう。 まずはE26セルは前後10日間を含む期間で当日が最も乖離率が高いときに数値を表します。
=IF(D26=MAX(D16:D36),D26,"")
同様にF26セルには前後10日間を含む期間で当日が最も乖離率が低いときに数値を表します。
=IF(D26=MIN(D16:D36),D26,"")
10日というのはこの説明の為に適当な日数を使用しただけです。平均線の日数の半分程度の期間で良いのでは無いかと考えます。 この場合では25日平均線なので12〜13日の幅がとってあれば充分だと思います。適宜変更してください。
そして、G列には過去何日間かの間に期間上限を記録した数値の平均を計算します。今回は50日を設定しました。 移動平均線を計算した日から50日と計算し、75列目以降に数式を入力します。
G75のセルに以下の数式を入力します。
=AVERAGE(E26:E75)
同様にH列は過去50日間の期間下限の平均を計算します。
H75のセルに以下の数式を入力します。
=AVERAGE(F26:F75)
これで一定の上限、下限を記録しつつその平均をとる事ができました。今回は過去50日の上限、下限を平均しましたが、 この期間を長くする事でさらに精度が増すものと考えます。そして、その数値をチャートに表すと次のようになります。
いかがでしょうか。概ね平均値の近くで反発、反落が起きています。これを利用して日々値動きをチェックする事で株価の癖を知りやすくなるのではないでしょうか。
移動平均線乖離率
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